陽経腹診について
3. 診察方法について
(1)陰経から陽経へ移るタイミングについて
まず、陰経を整えてから陽経を診るというのが基本になります。そこで治療を始める前に、腹部を気・津液・血と順番に軽く、やや軽く、少し圧を加えてという風に円を描くように撫でさすります。治療前と治療後とでそれがどのように変化するかというのを確認していきます。陰経の治療を終了した段階で、最初と同じように腹部を診察していきます。その時、血の深さにおいて滑らかなつるっとした感じになれば、陰経は整ったと診てこれが陰経から陽経に移ってもよいタイミングということになります。ざらつきが残っていればそれはまだ不十分だということになります。
(2)反応のとらえ方について
次に、陰経が整えば後は陽の表面の部分を診察すれば良いということになります。そこで腹部の表面を軽く撫でながら主にざらつきのある部分を捜し、このざらつきの部分が治療対象経絡ということになります。この時、診察する手は軽くドーム型にして診ると分かりやすくなります。ざらつきは何カ所かに現れてくることもありますが、反応の一番強いものから治療していくと良いようです。次にざらつきの部分が確認されたらそれが虚なのか実なのかという問題がありますが、この見極めのポイントは突っ張り感があるかないかということで判断して行きます。ただ、陰経の処置があまいと、陽経の反応もはっきりとしたものにはならないようです。この点、注意が必要であると思います。
以上、このようにして、陽経腹診を行っています。
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