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TOP > 研究活動 > 陽経腹診について > 2. 陽経腹診の部位について

陽経腹診について

2. 陽経腹診の部位について

診察部位については、第11回夏期学術研修会の参考資料にあるものと同じだと思ってください。ただ陽経を診るということですから、それぞれ陰陽関係で診ていきます。例えば、脾土の部は胃の診所となります。これに殉じて肺金の部は大腸、腎水の部は膀胱、心火の部は小腸、肝木の部は胆という風になります。また、それぞれの境目(重なる部分)の反応については次の通りです。

  1. 胃と大腸との境の反応としては、上巨虚(大腸経の下合穴)を用います。
  2. 胃と小腸との境の反応については、下巨虚(小腸経の下合穴)を用います。
    これらは胃腸(消化器系)というくくりで診れば、上巨虚・下巨虚、共に胃経の専有穴であることからこのような反応になると解釈できます。
  3. 胃と膀胱との境の反応については、委陽(三焦経の下合穴)を用います。
    これは命門の火が膀胱経を伝わって、腎や脾胃を暖めるということから考えてもここに反応を現すのではないかと考えます。
  4. 胃と大腸と小腸、それと胃と胆と小腸との境目で、臍に向かってVじに現れる反応については手の三焦経を用いることになります。
    これは心の陽気が心包を通って膀胱経を降り、腎に入って命門の火となり、命門の火と腎の津液とが三焦と合して三焦の原気になることから、その一連の流れからも心(心包)と三焦との関係は密接であり、心の診所の周囲に現れるのではないかと思っています。また、三焦は「名あって形なし」と言われていますが、形のある胃や大腸・小腸・膀胱や胆などはある一定の面積を持って現れ、形のない三焦はそれらの隙間に現れやすいものと考えています。
  5. 胃と胆との境の反応については、少し特異的な反応を現すようです。
    これは手技において気を漏らしたり、補い方が足りないとこの部分にざらついた反応が縦の線として出できます。しっかりと補うとこの反応は消えてなくなります。これは何故そうなるのかということで古典を調べてみると次のようなものがありました。
    《素問六節蔵象論》の中に、「凡そ十一蔵,胆にて決を取る。」とあります。
    これは、肝の巡らした考えに胆が決断を下すという関係がバランスよく働くと、
    その精神活動も正常に営まれるものであり、この胆の決断を下すという働きは、肝だけでなくそれ以外の蔵腑の生理機能にも関与しており、逆に見れば蔵腑経絡のアンバランスが皆胆に現れると見てもよいのではと考えます。
    いずれにしても、手技の適否を確認するための指標となるものと思います。

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研究活動について

 

陽経腹診について
 1.研究までの成り立ち
 2.部位について
 3.診察方法について
 

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